現役のサッカー選手達にも、根強い人気を誇る小説、『龍時』









2014ブラジルW杯の惨敗のショックはどこへやら、
きちんとした総括も為されないまま、
新しい監督を選ぶなど、疑問の残る対応を続ける、
日本サッカー協会だが、



選手の側にしてみれば、ショックを感じている暇もなく、
国内・海外ともに、リーグ戦が行われている。



中田英寿が、鮮烈的なデビューを飾って以来、
本格的な海外移籍が始まったが、現在の様に、
海外組が代表のほとんどを占める時代が、
来るであろうことを、予期していたかのような、
本格的なサッカー小説があることを、ご存じだろうか。



それが、2004年に急逝した、
野沢尚氏が連載していた、『龍時』である。



現役のサッカー選手達にも、根強い人気を誇る小説だ。



日本の16歳の少年が、年代別代表選で活躍するも、
世界との壁を感じ、「このままではダメだ」と、
単身スペインに渡り、選手としても人間としても、
成長していく物語――。



主人公が、色々な人と出会い、成長していく様は、
年代を問わず、共感を呼ぶ。



熟練の作家ならではの、サッカーシーンの描写は、
まるで、テレビで試合を観ているかの様に、
錯覚させられる、素晴らしいものだ。



それだけではなく、等身大の16歳が、
当然抱えるであろう悩みや不安など、色々な面から、
興味をかき立てられるつくりになっている。



残念ながら、著者の急逝により、シリーズは、
未完となっているが、刊行された3冊を読むだけでも、
十分楽しめること請け合いだ。



今日、多くの日本人選手が、各国のリーグに所属しているが、
未だ、チャンピオンズリーグを制した日本人選手は、現れていない。



W杯の鬱憤(うっぷん)を晴らすためにも、活躍を期待したい。






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