高校野球の世界を描いた、ミステリー小説、『白球の残像』









連日熱戦が続く高校野球だが、その一方で、
体罰やいじめ、野球留学に関する利権など、
依然として、様々な問題も内包されている。



そんな高校野球の世界を描いたミステリーが、
第34回江戸川乱歩賞を受賞した、
坂本光一の、『白球の残像』だ。



今から29年も前の作品でありながら、高校野球を巡る本質は、
あまり変わっていないことに驚かされるに、違いない。



甲子園で活躍を続ける、ある名門強豪校。



打線が強力で、どんなピッチャーに対しても、
球種を読み捉えてしまう。



彼らは完成された、天才集団なのだろうか。



そこには、驚きのからくりがあった――



白球に賭ける球児たちの青春をよそに、



・もと高校球児の、新聞記者
・今は強豪校の監督をしている、同僚



2人の監督をしていた人物、高校球界の大御所といった登場人物が、
それぞれの立場で、夏の甲子園に関わっていき、
その背景には、野球賭博が存在している。



高校球児の青春よりも、周囲の大人達の醜さへの怒りが、
作者にこの小説を書かせたことは、想像に難くない。



全国的な有名校の関係者たちには、
様々なプレッシャーがのしかかっていて、
それを払いのけるために、様々な策を弄していることは、
今も昔もそう変わりはないことが、分かる。



小説はフィクションなので、野球賭博に関することが、
どこまで本当かは分からないが、水面下で、
野球賭博が行われていることは、最早周知の事実と言える。



昔と違い、様々な変化球を投げ分ける、現代の投手達で、
果たして、小説に書かれていることと同じことが、
可能かどうかは、甚だ疑問ではあるが、
この夏の季節、ぜひ一読を勧めたい。







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