知る人ぞ知る、青春小説、『やがて笛が鳴り、僕らの青春は終わる』









世界ランキング初の10位となり、トップリーグには、
各国の実力者が続々と集結するなど、2014年、
そして、5年後の自国開催W杯に向け、
徐々に盛り上がりを見せる、日本ラグビー界。



日本において、ラグビーが最大の人気を誇っていたのは、
1980年代だが、その1982年に発表された、
ラグビー青春小説が、芥川賞作家・三田誠広の、
『やがて笛が鳴り、僕らの青春は終わる』だ。



残り限られた学生生活の中で、将来への不安を抱きながら、
最期のシーズンに賭ける、大学生の姿を描いたこの小説は、
知る人ぞ知る、青春小説として、根強い人気を誇っている。



主人公は、実力はそこそこあるのだが、
イマイチ何事に対しても、本気になれない。



ゴールキックは正確なのだが、距離が出ない。



チーム状態があまり上がらないところに、
幼なじみのスター選手が帰国することから、
俄然、話が動き出していく。



ラグビーのルールをあまり知らなくても、
作者の巧みな筆致で、飽きることなく、読むことができる。



恋愛や進路など、卒業を控え、楕円形のラグビーボールの様に揺れ動く、
4回生のそれぞれの思いなども、「わかるなあ」と、納得させられる。



衝突を繰り返しながら、チームを立て直し、
優勝がかかった最終戦で、ケガを押して出場し、
終了直前トライを上げる、幼なじみ。



ボールを託され、角度のないところから、
逆転のゴールキックを狙う主人公。



果たしてその結果は? 



2019ラグビーW杯自国開催に向けて、
ぜひ、映画化して欲しいラグビー小説だ。







コメントを残す