面白さ抜群のスポーツ・コメディ、『クール・ランニング』









スポーツ映画というのは、描き方によっては、
”スポ根映画”となり、ストイックで暗い作品にもなりがちだが、
そんなことは微塵もなく、レゲエのリズムに乗せ、
爽やかさ全開のスポーツ・コメディ映画となり、
一世を風靡した作品が、1994年に公開された、『クール・ランニング』だ。



常夏の地であるジャマイカから、無謀にもボブスレーチームを組み、
1988カルガリー冬季五輪に出場した、男達の実話をもとにしており、
ディズニー映画らしいファンタジーに満ちたこの映画は、大ヒットを記録した。



南国の人達が、見ず知らずの競技に悪戦苦闘する姿や、
開催地の気候に戸惑う姿が、かなりコミカルなのだが、
妙に説得力がある。



バタバタしながら友情を深めていったり、資金集めに奮闘したりするなど、
全体的にあっけらかんとしている姿が、嫌味がなく好感が持てる。



カルガリーの雪景色に、ジャマイカレゲエの陽気なリズムがうまく融合して、
観ている者の気分を盛り上げてくれる。



実際にはチームプロデューサーがアイデアを思い付き、
新聞広告で選手を募集したものの反応はなく、
国防軍のアスリートから募って、出場にこぎつけたとのことだ。



笑いの中にも、目標に向けて努力することの大切さなど、
随所にメッセージが込められているこの映画は、
湿度の高い日本の夏の暮らしに、爽やかな風を招いてくれるお勧めの一本だ。



ちなみに、ジャマイカチームはその後、2002ソルトレイクシティ五輪まで、
5大会連続出場した後、2014ソチ五輪で12年ぶりの復活を遂げた。



『クール・ランニング』は、まだ終わっていないのだ。







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